专利摘要:
ジカチオン液体塩、およびESI−MSのような技術にそのようなジカチオン液体塩を用いる方法を提供する。
公开号:JP2011512536A
申请号:JP2010546955
申请日:2009-02-17
公开日:2011-04-21
发明作者:アームストロング,ダニエル・ダブリュー
申请人:シグマ−アルドリッチ・カンパニーSigma−Aldrich Co.;
IPC主号:G01N27-62
专利说明:

[0001] (相互参照出願)
本出願は2008年2月15日出願の米国仮特許出願第61/029,075号に基づく優先権を主張する。本出願は2008年2月15日出願の同時係属米国仮特許出願第61/029,103号に関する主題を含む。本段落で同定される各出願の開示はそのまま参照により本明細書に組み込まれる。]
[0002] 本発明はジカチオン液体塩およびエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)のような種々の技術におけるその使用方法に関する。]
背景技術

[0003] 室温におけるジェミナルジカチオン液体(または液体塩)は従来型イオン液体に比べて熱安定性および揮発度に関して優れた物理特性を有することがわかってきている。ジカチオン液体塩を溶媒および例えばガスまたは液体クロマトグラフィーにおける固定相として使用することが提案されてきた。]
[0004] 米国特許出願公開第2006/0025598号は安定性の高いジイオン液体塩およびそのガスクロマトグラフィーにおける固定相としての使用を報告する。]
[0005] Anderson J.等、 J. Am. Chem. Soc. 2005年127:593-604は安定性の高いジェミナルジカチオン性イオン液体の構造と物性を報告する。]
[0006] Han X,等、Org. Lett. 2005年7(19):4205-4208は高温有機反応における溶媒としてジェミナルジカチオン性イオン液体を報告する。]
[0007] McEwanによる米国特許第6,531,241号はスペーサー基を介して結合する環状非局在カチオンを報告する。]
[0008] アニオンの検出と定量は多種多様な科学分野において非常に重要である。エレクトロスプレーイオン化の出現で液体試料中のイオン成分のルーチン分析が可能になった。ESI−MSを液体クロマトグラフィーなどの分離方法と組合せて、ほとんどの化合物の分離、検出方法を達成できる。しかし、ESI−MSにはノイズピーク、不安定なイオン電流、望ましくないアークの発生、今までにない溶媒を使用する必要性などの問題がある。従って、そのような問題を減らすための新しい化合物と方法が必要とされる。]
[0009] ESI−MSによって少なくとも一つのアニオンを検出する方法が提供される。当該方法は式I:]
[0010] ]
[0011] の構造に対応するジカチオン種および少なくとも一種の対アニオンを含む少なくとも一種のジカチオン液体塩および少なくとも一種の対アニオンを使用することを含み、
式中、Xはアンモニウム、チオニウム、ホスホニウム、アルソニウム、スルホニウム、並びに、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、およびトリアゾリウムからなる群から選ばれるヘテロシクリルからなる群から選ばれ、
各Xは、アルキル、アルケニル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によって置換されていてもよく、
Bは、C1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、C2〜C20−アルキニレン、(−CH2−カルボシクリル−CH2−)n、(−CH2−カルボシクリル−)n、およびポリシロキシルからなる群から選ばれる1種以上の基の鎖から構成される2価の断片であり、
C1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、C2〜C20−アルキニレンは、O、N、S、およびSiからなる群から選ばれた1つ以上のヘテロ原子を鎖中に含んでもよく、
Bはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、およびハロからなる群から選ばれた1つ以上の置換基によって置換されてもよく、かつ、nは1〜20の群(両端の数値を含む)から選ばれる。]
[0012] 上述の態様の具体的側面を含め、その他の態様を以下に詳述して明らかにする。]
図面の簡単な説明

[0013] 図1aは、ジカチオン種XVIを用いた、4種のアニオンを含む試料の分離を示すクロマトグラムである。測定された質量は各アニオンの質量と対応するジカチオン塩(試薬)の質量との和である。
図1bは、ジカチオン種XVIIを用いた、4種のアニオンを含む試料の分離を示すクロマトグラムである。測定された質量は各アニオンの質量と対応するジカチオン塩(試薬)の質量との和である。] 図1a 図1b
実施例

[0014] 本発明の種々の態様において、ジカチオン液体塩が提供され、そのようなジカチオン液体塩の使用方法として例えばESI−MSによってアニオンを検出する方法が提供される。]
[0015] 米国特許出願公開第2008/0027231号は米国特許出願公開第2006/0025598号の一部継続出願である。米国特許出願公開第2008/0027231号は対称および非対称のジカチオン液体塩を報告する。米国特許出願公開第2008/0027231号はまたESI−MSを含む種々の分離技術における非対称ジカチオン液体塩の使用をも報告する。これらのすべてはそのまま参照により本明細書に組み込まれる。]
[0016] A.定義
用語「カルボシクリル」(単独または別の用語との組合わせにおいて)は飽和環状(すなわち「シクロアルキル」)、部分飽和環状(すなわち「シクロアルケニル」)、または完全不飽和(すなわち「アリール」)のヒドロカルビル置換基であって、3から14個の炭素環原子(「環原子」は結合して環状置換基の環または環群を形成する原子)を含むものを意味する。カルボシクリルは単一環(単環)または多環の環状構造でよい。]
[0017] カルボシクリルは単一環構造であってよく、一般的には3から7個の環原子、より一般的には3から6個の環原子、およびより一層一般的には5から6個の環原子を含む。そのような単一環カルボシクリルとしてはシクロプロピル(シクロプロパニル)、シクロブチル(シクロブタニル)、シクロペンチル(シクロペンタニル)、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル(シクロヘキサニル)、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、およびフェニルが挙げられる。]
[0018] あるいは、カルボシクリルは多環式、すなわち複数の環を含んでもよい。多環のカルボシクリルとしては架橋、縮合、スピロ環式および孤立カルボシクリルが挙げられる。スピロ環式カルボシクリルでは、1個の原子が2つの異なる環に共通する。スピロ環式カルボシクリルの一例はスピロペンタニルである。架橋カルボシクリルでは、環は少なくとも2つの隣接しない共通原子を共有する。架橋カルボシクリルとしてはビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニル、およびアダマンタニルが挙げられる。縮合環カルボシクリル系では、2つの環が1個の共通結合を共有するように、複数の環が縮合されてよい。2重または3重縮合環カルボシクリルとしてはナフタレニル、テトラヒドロナフタレニル (テトラリニル)、インデニル、インダニル(ジヒドロインデニル)、アントラセニル、フェナントレニル、およびデカリニルが挙げられる。孤立カルボシクリルでは、環は分離独立して共通原子を共有しないが、環の間には結合が存在する。]
[0019] 用語「カルボシクリル」は、]
[0020] ]
[0021] のようなプロトン化されたカルボシクリルも包含する。]
[0022] 用語「ヘテロシクリル」(単独または別の用語との組み合わせにおいて)は飽和(すなわち「ヘテロシクロアルキル」)、部分飽和(すなわち「ヘテロシクロアルケニル」)、または完全不飽和(すなわち「ヘテロアリール」)の環状構造であって、全部で3から14個の環原子を含むものを意味する。環原子の少なくとも1つはヘテロ原子(すなわちN、P、As、O、S、およびSi)であり、残りの環原子は炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立して選ばれる。ヘテロシクリルは単一環(単環)または多環の環状構造でよい。]
[0023] 用語ヘテロシクリルはピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、およびトリアゾリウムなどのプロトン化されたヘテロシクリルを包含する。]
[0024] ヘテロシクリルは単一環構造であってよく、一般的には3から7個の環原子、より一般的には3から6個の環原子、およびより一層一般的には5から6個の環原子を含む。そのような単一環ヘテロシクリルとしてはフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル(チオフラニル)、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チオジアゾリル、オキサジアゾリル(1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル(フラザニル)、または1,3,4−オキサジアゾリルを含む)、オキサトリアゾリル(1,2,3,4−オキサトリアゾリルまたは1,2,3,5−オキサトリアゾリルを含む)、ジオキサゾリル(1,2,3−ジオキサゾリル、1,2,4−ジオキサゾリル、1,3,2−ジオキサゾリル、または1,3,4−ジオキサゾリルを含む)、オキサチアゾリル、オキサチオリル、オキサチオラニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピリジニル(アジニル)、ピペリジニル、ジアジニル(ピリダジニル(1,2−ジアジニル)、ピリミジニル(1,3−ジアジニル)、またはピラジニル(1,4−ジアジニル)を含む)、ピペラジニル、トリアジニル(1,3,5−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、および1,2,3−トリアジニルを含む)、オキサジニル(1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニル、または1,4−オキサジニルを含む)、オキサチアジニル(1,2,3−オキサチアジニル、1,2,4−オキサチアジニル、1,2,5−オキサチアジニル、または1,2,6−オキサチアジニルを含む)、オキサジアジニル(1,2,3−オキサジアジニル、1,2,4−オキサジアジニル、1,4,2−オキサジアジニル、または1,3,5−オキサジアジニルを含む)、モルホリニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル、およびジアゼピニルが挙げられる。]
[0025] ヘテロシクリルはあるいは多環式、すなわち複数の環を含んでもよい。多環のヘテロシクリルとしては架橋、縮合、およびスピロ環式ヘテロシクリルが挙げられる。スピロ環式ヘテロシクリルでは、1個の原子が2つの異なる環に共通する。架橋ヘテロシクリルでは、環は少なくとも2つの隣接しない共通原子を共有する。縮合環ヘテロシクリルでは、2つの環が1個の共通の結合を共有するように、複数の環が縮合されてよい。2つまたは3つの環を含む縮合ヘテロシクリルとしては、インドリジニル、ピラノピロリル、4H−キノリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ピリドピリジニル(ピリド[3,4−b]−ピリジニル、ピリド[3,2−b]−ピリジニル、またはピリド[4,3−b]−ピリジニルを含む)、およびプテリジニルが挙げられる。縮合環ヘテロシクリルの他の例としては、インドリル、イソインドリル(イソベンザゾリル、プソイドイソインドリル)、インドレニニル(プソイドインドリル)、イソインダゾリル(ベンゾピラゾリル)、ベンゾアジニル(キノリニル(1−ベンゾアジニル)またはイソキノリニル(2−ベンゾアジニル)を含む)、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾジアジニル(シンノリニル(1,2−ベンゾジアジニル)またはキナゾリニル(1,3−ベンゾジアジニル)を含む)、ベンゾピラニル(クロマニルまたはイソクロマニルを含む)、ベンゾキサジニル(1,3,2−ベンゾキサジニル、1,4,2−ベンゾキサジニル、2,3,1−ベンゾキサジニル、または3,1,4−ベンゾキサジニルを含む)、およびベンゾイソキサジニル(1,2−ベンゾイソキサジニル、または1,4−ベンゾイソキサジニルを含む)のようなベンゾ縮合ヘテロシクリルが挙げられる。]
[0026] 本明細書では、用語「アルキル」(単独または別の用語との組み合わせにおいて)は1個から20個の炭素原子を含むアルカンに由来する基をいう。アルキルは直鎖アルキルおよび分岐アルキルを含む。直鎖アルキル基または分岐アルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどのような、1個から15個の炭素原子を含む。アルキルは1つ以上のシクロアルキルによってさらに修飾され得る。例えば、アルキルは1つ以上のシクロアルキル部分を含む、すなわち1つ以上のシクロアルキル部分を割り込ませてもよい。この例としては、4−(イソプロピル)−シクロヘキシルエチルまたは2−メチルーシクロプロピルペンチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルキル基は、任意の点で結合して安定化合物を生成する。]
[0027] 用語「アルキレン」(単独または別の用語との組み合わせにおいて)は、1個から20個、好ましくは1個から15個の炭素原子を含む2価のアルカンに由来する基をいい、2個の水素原子が同じ炭素原子からまたは異なる炭素原子から取り去られている。アルキレンとしては下記が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
メチレン(−CH2−)
エチレン(−CH2CH2−)
プロピレン(−CH2CH2CH2−)
ブチレン(−CH2CH2CH2CH2−)
ペンチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)
ヘキシレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)
ヘプチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)
オクチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)
ノニレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、
デシレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、
ウンデシレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、
ドデシレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)等。]
[0028] 用語「ポリシロキシル」(単独または別の用語との組み合わせにおいて)は1個から20個の原子を含んで酸素とケイ素から構成される2価の基をいう。例としては(−Si−O−Si−)nまたは(−Si−O−)nの主鎖が挙げられ、nは1から20である。ポリシロキシルは主鎖が1つ以上の酸素原子によって置換された場合をも包含する。]
[0029] 用語「ポリエーテル」(単独または別の用語との組み合わせにおいて)は1個から20個の原子を含む複数のエーテル基から構成される2価の基をいう。ポリエチレングリコールは、ポリエーテル2価基を提供する親化合物の例である。別の種類のポリエーテルは直鎖状アルコキシ2価基である。]
[0030] 用語「アルコキシ」(単独または別の用語との組み合わせにおいて)はアルキルエーテル、すなわち−O−アルキルを意味する。そのような置換基としてはメトキシ(−O−CH3)、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。]
[0031] 用語「アンモニウム」は化学式NH4+の正に荷電した多原子カチオンをいう。アンモニウムはまた正に荷電した、またはプロトン化された置換アミン(例:プロトン化された第3級アミン)および第4級アンモニウムカチオンであるN+R4を包含し、1つ以上の水素原子が有機基(上記ではRとして表記)によって置換される。]
[0032] 用語「ホスホニウム」は化学式PH4+を有する正に荷電した多原子カチオンをいう。ホスホニウムはまた1つ以上の水素原子が有機遊離基によって置き換えられていてもよい。]
[0033] 用語「スルホニウム」は3つのアルキル基を置換基として有する正に荷電した硫黄イオン(S+R3)をいう。]
[0034] 用語「ジイオン塩」は、状況により「ジイオン液体」(diionic liquid=DIL)および「ジイオン液体塩」(diionic liquid salt=DILS)と同義で使われるが、塩分子を説明するのに用いられる。本発明における「ジイオン液体」または「ジイオン液体塩」はジイオン塩からなる液体である。従って、明細書に示された温度において液体で存在するように十分なジイオン塩分子が存在する。これは、単一のジイオン塩分子は液体ではないことを仮定する。ジイオン液体は(1)ジカチオン液体または(2)ジアニオン液体のどちらかである。]
[0035] 「ジカチオン液体塩」または「ジカチオン液体」は、上述のようにジカチオン塩からなる塩の分子または液体のどちらかであって、当該ジカチオン塩はジカチオン種および1つ以上の等価かつ反対電荷の対アニオンの間で形成される。当該用語は、Mg+2またはSO4−2などの+2または−2の電荷を有する単一種を包含することを意味しない。むしろ、通常は架橋基によって分離された2つの別々の単カチオン基を有する単一分子を意図する。本発明のジカチオン液体はまた本明細書に定義されるように1つ以上のジカチオン液体塩の混合物であってもよい。]
[0036] 一般に、「非対称」ジカチオン種を生成する異なるタイプの単カチオン基があるが、ジカチオン液体塩は両方の単カチオン基が同じ電荷だけでなく同じ構造でもあることを意味する「ジェミナル」であってもよい。本明細書で意図される種は「ジェミナル」または「対称の」ジカチオン種である。]
[0037] B.ジカチオン液体塩
一態様において、ジカチオン液体塩が提供される。ジカチオン液体塩は式I:]
[0038] ]
[0039] に構造が対応するジカチオン種および少なくとも1つの対アニオンを含む。]
[0040] Xはアンモニウム、チオニウム、ホスホニウム、アルソニウム、スルホニウム、およびピリジニウム、ピロリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、またはトリアゾリウムのようなヘテロシクリルのようなモノカチオン群である。]
[0041] Xはアルキル、アルケニル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、またはヒドロキシアルキルのような1種以上の置換基によって置換されていてもよい。]
[0042] 具体的一側面では、Xはアンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、またはピラゾリウムである。さらなる一側面では、Xはアンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、またはピロリジニウムであって、Xはアルキル、アルケニル、ヒドロキシル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびヒロロキシアルキルから独立して選ばれる1つ以上の置換基によって置換される。具体的一側面では、Xはメチル、エチル、プロピル、またはブチルによって1以上置換される。別の具体的一側面ではXはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、またはヒドロキシプロピルによって置換される。別の具体的一側面では、Xはベンジル、またはベンジルメチルまたはベンジルエチルによって置換される。]
[0043] Bは、C1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、C2〜C20−アルキニレン、(−CH2−カルボシクリル−CH2−)nおよび(−CH2−カルボシクリル−)n、(式中nは1から20(両端の数値を含む)である)、並びにポリシロキシルのような1種以上の残基鎖から構成される2価の断片(または「架橋」)である。具体的一側面では、C1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、およびC2〜C20−アルキニレンは鎖中にO、N、S、およびSiのような1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。]
[0044] 一側面ではBはエーテルのように1個の酸素原子を含むC1〜C20−アルキレンであり、別の一側面ではBはポリエーテルのように複数の酸素原子を含むC1〜C20−アルキレンである。]
[0045] 具体的一側面ではBはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、またはドデシレンのような2価のラジカルである。]
[0046] 別の一側面では、Bはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、およびハロから独立して選ばれる1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。具体的な一側面では、Bはメチル、エチル、プロピル、ブチル、メテニル、エテニル、プロペニル、ブテニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、F、Br、およびClから独立して選ばれる1つ以上の置換基によって置換される。さらなる具体的一側面ではBはFで置換される。]
[0047] 具体的一側面では、BはC1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、(−CH2−カルボシクリル−CH2−)n、または(−CH2−カルボシクリル−)nであり、nは1から12(両端の数値を含む)である。さらなる具体的一側面では、Bは(−CH2−フェニル−CH2−)n(−CH2−シクロヘキサン−CH2−)n、(−CH2−フェニル−)n、(−CH2−シクロヘキサン−)nであり、nは1から12(両端の数値を含む)である。]
[0048] 別の具体的一側面では、Xがピロリジニウムの場合は、Bはメチレン、エチレン、C4〜C8−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、またはC2〜C20−アルキニレンであり、各Bは上記の1つ以上の置換基で置換されてもよく、BはO、N、S、およびSiからなる群から選ばれた1つ以上のヘテロ原子を鎖中に含んでもよい。]
[0049] 一態様では、Xはアンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、およびピラゾリウムからなる群から選ばれ、BはC1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、(−CH2−カルボシクリル−)nまたは(−CH2−カルボシクリル−CH2−)nである。]
[0050] 別の一態様では、Xはアンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、およびピロリジニウムからなる群から選ばれ、BはC1〜C20−アルキレン、C1〜C20−アルケニレン、または(−CH2−カルボシクリル−CH2−)nであり、nは1から12(両端の数値を含む)である。]
[0051] 別の一態様では、Xはアンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、およびピロリジニウムからなる群から選ばれ、ここで、Xは、アルキル、アルケニル、ヒドロキシル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、またはヒドロキシアルキルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によって置換され、BはC1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、(−CH2−フェニル−CH2−)n、または(−CH2−シクロヘキサニル−CH2−)nであり、ここで、C1〜C20−アルキレンは鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよく、nは1から12(両端の数値を含む)である。]
[0052] 別の一態様では、Xはホスホニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換され、BはC1〜C12−アルキレンまたは(−CH2−フェニル−CH2−)nであり、ここで、C1〜C12−アルキレンは鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよく、nは1である。]
[0053] 別の一態様では、Xはアンモニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換され、BはC1〜C12−アルキレンであり、鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよい。]
[0054] 別の一態様では、Xはピロリジニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換されてもよく、BはC1〜C12−アルキレンであり、鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよい。]
[0055] 別の一態様では、Xはピリジニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換されてもよく、BはC1〜C12−アルキレンであり、鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよい。]
[0056] 本発明によって意図されるジカチオン種の例を下記の実施例中の表1に示す。]
[0057] 一般に、ジカチオン液体塩を生成するために使われる対アニオンは任意の適切な対アニオンであってよい。塩形成する対アニオンは、例示限定として、Br−のような単イオンでも、あるいは、例示限定として、コハク酸のようなジアニオンでもよい。対アニオンは同一である必要はない。適切な対アニオンとしては、F−、Br−、Cl−、ジカルボン酸アニオン、二スルホン酸アニオン、二硫酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、NTf2−、PF6−、BF4−が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な一側面では、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、NTf2−、ハロアルキルスルホン酸アニオン、またはハロカルボン酸アニオンが使われる。]
[0058] 一態様では、ジカチオン液体塩は、約100℃以下で固液変態温度を有し、また200℃未満の温度で実質的に分解せず実質的に不揮発性で、約200℃以上で液体の範囲を有する。別の一態様では、本発明は、25℃以下で固液変態温度を有するジカチオン液体塩を包含し、当該塩は300℃未満の温度で実質的に分解せず実質的に不揮発性であるか、または約300℃以上で液体の範囲を有する。]
[0059] 一態様では、いずれか一方のジカチオン種はキラルであって、少なくとも1つの立体中心を有する。そのような場合には、ジカチオン液体塩は、ラセミ化合物であるか(またはジアステレオマーの場合に、鏡像異性体の各ペアは等量存在する)、光学的に富化されてよい。鏡像異性体における「光学的富化」は、一方の鏡像異性体が、他より多量に存在することを意味する。ジアステレオマーの場合には、鏡像異性体の少なくとも1ペアは1:1以外の比率で存在する。実際にジカチオン液体塩は「実質的に光学的に純粋」であってもよく、一方の鏡像異性体が、または複数の立体中心が存在するならば鏡像異性体の少なくとも1ペアが、他の鏡像異性体と比較して少なくとも約90%の量で存在する。本発明のジイオン液体塩もまた光学的に純粋、すなわち他と比較して一方の鏡像異性体が少なくとも約98%であってよい。]
[0060] C.ESI−MSでの使用
さらなる態様では、本発明は、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)により荷電分子を検出する方法を提供する。少なくとも1つのジカチオン液体塩は、ESI−MSによって荷電されたアニオンを検出するための試薬として使用することができる。]
[0061] 従って、一態様では、少なくとも1種のアニオンを検出する方法が提供される。当該方法は式I:]
[0062] ]
[0063] に構造が対応するジカチオン種および少なくとも1つの対アニオンを含む少なくとも1つのジカチオン液体塩を使用することを含む(式中、XおよびBは上述の通りである)。]
[0064] ESI−MSのために使用する少なくとも1つの対アニオンはF−、および/またはOH−である。]
[0065] 当該方法では、反対電荷を有する本発明のジカチオン種が適当量試料に添加される。ジカチオン種と荷電分子は塩錯体を形成する。ジカチオン種は、錯体が正味電荷を有するように、検出される荷電分子よりも少なくとも1つ多い反対電荷を含む。具体的一側面ではジカチオン種は、錯体が+1または−1の正味電荷を有するように、検出される荷電分子よりも1つだけ反対電荷を含むにすぎない。しかし、+2または−2またはさらに高い電荷差も使用できる。錯体はESI−MSを使ってその後検出される。錯体の構成は荷電分子を、より高い質量対電荷比m/zを有するイオンに転換し、当該イオンは質量識別によりESIを用いてより効率的に転送されることができる。]
[0066] 具体的な一態様では、ESI−MSは正イオンモードで実施される。]
[0067] 別の具体的な一態様では、ジカチオン液体塩は正に荷電した錯体を生成する単一アニオンとペアになる。]
[0068] 別の具体的な一態様では、ジカチオン液体塩はESI−MSに使用の担体中を流れる溶媒(carrier flow solvent)に添加される。ジカチオン液体塩は、担体中を流れる溶媒に添加される約1μMから約200μMの溶液であってよい。]
[0069] 担体中を流れる溶媒は適切な水混和性有機溶媒、または水と水混和性有機溶媒の混合物である。そのような水混和性有機溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンが挙げられるが、これらに限定されない。]
[0070] 別の一態様では、ESI−MSは単独で、または分離方法と一緒に使用される。そのような分離方法としては、以下に検討する液体クロマトグラフィー(LC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、イオンクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、固相抽出(SPE)、固相微量抽出(SPME)、特定課題向け(task-specific)SPME(TS−SPME)、およびSPME/MALDIが挙げられるがこれらに限定されない。具体的一側面では、ジカチオン液体塩は分離方法の後に担体中を流れる溶媒に添加される。]
[0071] 別の具体的一態様では、方法は、所望の組成と構造、例えば所望の荷電基構造および所望の質量またはそれらの組み合わせを有するジカチオン種の選定を含む。ジカチオン種における荷電基は、検出される荷電分子の組成と構造に基づいて選定することができる。具体的一側面では、ジカチオン種は検出される荷電分子に固有である。従って、ジカチオン種の荷電基が、検出される荷電分子と強く結合することは望ましい。さらに好ましくは、ジカチオン種の荷電基は、試料中で他の荷電分子と強く結合しないことである。興味のある荷電分子に固有のジカチオン種を使うことは荷電分子の検出において高い選択性を可能にする。]
[0072] ジカチオン種の質量は、質量分析計による最適な検出を達成するように選定できる。一般に、大きな質量を持っているジカチオン種が使用される。具体的一態様では、ジカチオン種は錯体がm/zとして少なくとも50を有するように選定される。大抵の市販の単一四重極型質量分析計は、m/z値が100よりかなり高い場合に最適性能を有するように設計される。従って、別の具体的一態様では、錯体が100よりかなり高いm/z、例えば少なくとも約200、少なくとも約300、または少なくとも約400を有するように、ジカチオン種を選定する。当業者にとって、ジカチオン種の質量が架橋基および荷電基の大きさに依存することは明らかである。これらの1種以上は、所望の質量のジカチオン種を得るために変更可能である。さらに好ましくは、ジカチオン種は、錯体が正味電荷として+1または−1、すなわちz=1を有するように、検出される荷電分子よりも1だけ反対電荷を有する。zの値がより低いほど、m/zは高く、最適な検出性能が得られる。]
[0073] さらなる一態様では、当該方法は高収率で解離するジカチオン液体塩の選定を含む。これは、適切な対イオンを含むジカチオン液体塩を選ぶことによって達成することができる。ジカチオン液体塩が所望のイオン基を有するが所望しない対イオンを有する場合、イオン交換によって所望の対イオンを含むジカチオン液体塩に変換することができる。]
[0074] 具体的一態様では、ジカチオン種のフッ化物塩はESI−MS用試薬として使われ、入手可能でないならば、アニオン交換によって二ハロゲン化物、臭化物、またはヨウ化物の塩から変換できる。]
[0075] 別の具体的一態様では、本発明は、本発明の複数の異なるジカチオン種を用いた質量分析による複数の異なる荷電分子を検出する方法を提供する。ジカチオン種のそれぞれは、異なる荷電分子の1つに特に結合するように選定される。好ましくは、異なるジカチオン種は異なる質量を有し、それぞれの荷電分子と形成する錯体が分離して検出できるようにする。]
[0076] 質量分析は、公知技術である標準手法により実施できる。]
[0077] 試薬としてジカチオン液体塩を使う利点には、(a)化学的ノイズが著しい低質量域からより高質量域へアニオンを移すこと、(b)四重極型機器の低質量遮断に近い質量を有するアニオンに対する感度を上げること(例えばトラップ)、および、(c)試薬と、同様な質量対電荷比を有する試料化合物の間の干渉の識別に役立つこと、が挙げられるがこれらに限定されない。]
[0078] D.溶媒
本発明はまた、本発明による1つ以上のジカチオン液体塩を含有する溶媒も対象とする。]
[0079] いくつかの態様では、溶媒は1種のジカチオン液体塩からなる。]
[0080] 他の態様では、溶媒は複数種のジカチオン液体塩からなる。]
[0081] 本発明の「対称」ジカチオン液体塩はまた混合物としていかなる「非対称」ジカチオン種とも組合せて使用することができる。具体的な一態様において、ジイオン塩の混合物はジカチオン塩混合物である。混合物が所望の融解温度、および/または他の分子と所望の相互作用を有するように、そのような混合物は一定比率の非対称ジカチオン液体塩と本発明の対称ジカチオン塩からなることができる。従って、一態様では、本発明は適切な割合で少なくとも1種の「非対称」ジカチオン液体塩と本発明の少なくとも1種の対称ジカチオン液体塩からなるジカチオン性液体塩を提供する。当業者は、具体的用途に応じた混合物としての使用時には、対称および非対称ジカチオン塩の割合を決定することができるであろう。]
[0082] 本発明のジカチオン液体塩は担体または溶媒として純粋または実質的に純粋な形態で使用できる。この状況における「実質的に」は、所望しない不純物が約10%しかないことを意味する。そのような不純物は、状況により他の所望しないジカチオン塩、反応副生成物、混入物質などである。2種以上のDILSの意図した混合物では、どちらも不純物とは考えられない。DILSは不揮発性で安定しているので、回収・再利用されて、揮発性有機溶媒の不都合はほとんど生じない。DILSは場合によっては400℃を超える広い液体範囲で安定なため、加熱と冷却の両方を必要とする化学合成に使用できる。実際に、これらの溶媒は一定の化学合成の複数の反応工程のすべてに対応し得る。もちろん、DILSは共存溶剤および勾配溶媒による溶媒系の中で使用してもよく、これらの溶媒としては対掌性イオン液体、対掌性非イオン液体、揮発性有機溶媒、不揮発性有機溶媒、無機溶媒、水、油などが挙げられるが、これらに限定されない。DILSを使って、溶液、懸濁液、乳液、コロイド、ゲル、および分散を調製することも可能である。本発明によるジカチオン液体塩は、異なるジカチオン同士、異なるジアニオン同士、およびジカチオンとジアニオンの混合物を含めて、いかなる混合でも使用できる。例えば、本発明の1つ以上のジカチオン液体塩は米国公開第2006/0025598号に記載されているジイオン液体塩と混合することができる。米国公開第2006/0025598号は、そのまま参照により本明細書に組み込まれる。]
[0083] 別の一態様では、1つ以上のジカチオン液体塩は、混合している固体または液体の溶解、懸濁、または分散用の溶媒として、または化学反応用の反応溶媒として使用できる。両方とも用語、溶媒、によって意味付けされる。具体的一態様では、溶媒は、約500℃以下さらに好ましく約400℃以下の固体/液体の転移温度を有し、約200℃以上の液体範囲を有する上述の1つ以上のジカチオン液体塩からなり、別の一態様では、約200℃以下の温度で実質的に不揮発性であることによって安定性が評価される。ジカチオン液体塩およびそこから作られる溶媒の両方はキラルであって光学的に富化されてよい。]
[0084] E.固定相と重合
溶媒および反応溶媒として有益であることに加えて、本発明のジカチオン液体塩は、例えばガス・液体クロマトグラフィー用固定相として、分離を行うために使用することができる。バラバラなジイオン液体塩に加えて、これらの素材の重合体を生成することもできる。重合体は主鎖中にまたは側鎖基としてジカチオン液体塩を含むことができる。]
[0085] 従って、別の一態様では、特にガスクロマトグラフィーにおいて固定相としての1種以上のジカチオン液体塩(単イオン材料の有無にかかわらず)を含む固定化ジカチオン液体塩が提供される。これらの固定相は選択性・安定性が高く、温度劣化に高い抵抗力がある。これらの材料は、非架橋(多くの場合、それらが固体担体またはカラムに吸収または吸着されることを意味する)、「部分的」架橋、または「より高度な」架橋(多くの場合、それらが固体担体またはカラムに「固定化」されることを意味する)でよく、ジカチオン液体塩とジカチオン材料、および/または単カチオン材料の混合物から構成されるか、または本発明によるジカチオン液体塩から全面的に作ることができる。不飽和基の存在は架橋、および/または固定化を容易にする。]
[0086] 非架橋の固定相の場合に、使用するジカチオン液体塩は飽和、不飽和、または両方の混合物であってよい。ただし、当然のことながら、特に一定量の不飽和ジカチオン液体塩が使われる場合、とりわけ、熱を使用して固定相を固定し、またはガスクロマトグラフィー(GC)におけるように使用中に固定相が加熱される場合には、ある程度の架橋が可能である。]
[0087] 本発明による「部分的に」架橋された固定相からは、安定で高度に選択的な固定相の生成が可能になり、約280℃までの温度で高効率の分離ができる。「部分的に架橋された」固定相では、単イオンとジイオン種の混合物があってよく、ジイオン液体塩の使用量は単イオン種の使用量以下である。]
[0088] 本発明による「より高度に」架橋された固定相は350℃以下またはこれを超える温度で、優れた効率と安定性を提供することができる。「より高度に架橋された」固定相では、ジイオン種(ジイオン液体塩)の量はいかなる単イオン種の量をも上回る。好ましくは、より高度に架橋された固定相は実質的に単独(90%以上)の本発明による固定化ジイオン液体塩から構成される。実際に、好ましくは、それらは純粋なジイオン液体塩である。どちらの場合にも、使用する単イオン種およびジイオン種は、好ましくは不飽和を含む。単イオン種は一般に単一の多重結合を有し、ジイオン液体塩は一般に複数の多重結合(二重結合/三重結合)を有する。もちろん、ジイオン種は単一の不飽和結合を有することもできる。これらの不飽和結合は架橋を可能にするだけでなく、固定化を容易にする。飽和種および不飽和種の混合物も、特に非架橋固定相の場合に使用できる。]
[0089] 具体的一態様では、固定相はキラルかつ光学的に富化されるジイオン種から作られる。さらに、カラム中で固定相として、またはSPE、SPME、TSSPME、SPME/MALDI、イオンクロマトグラフィー、イオン交換、およびヘッドスペース分析または他の分析・分離技術に関する固体担体に、DILSを架橋および/または固定化する場合に、固定相の選択性に影響しないようであり、その結果その2面性保持の挙動は失われない。]
[0090] ガスクロマトグラフィー、特にキャピラリーGC用の固定相は本発明の具体的な一側面であり、また、ジイオン液体塩は単独でまたは単イオン液体塩と組み合わせのいずれかで、例えば液体クロマトグラフィー(LC)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む他の形態のクロマトグラフィーにおける固定相として使用できる。固定相、固体担体、および/またはこれらを含むカラムの生成方法だけでなく、固定相、固体担体、カラム自体、並びにクロマトグラフィーにおけるこれらの固定相を含むカラムおよび固体担体の使用、その他の分析・分離方法も本発明の具体的な側面と意図される。]
[0091] DILSはキャピラリー(または固体担体)上に被覆することができ、必要に応じてその後、例えば2つの一般的な方法によって、重合および/または架橋することができる。第一の方法では、DILSは、被覆溶液濃度範囲が0.15%から0.45%(w/w)までの塩化メチレン、アセトン、酢酸エチル、ペンタン、クロロホルム、メタノール、またはその混合物を用いて40℃にて静的被覆(static coating)方法により被覆される。DILSの被覆の完成後、カラムはヘリウムによってパージされ、100℃まで焼成される。ナフタレン(n−炭化水素またはグロブ試験混合物のような他の分子もまたこの目的のために使用できる)の効率をその後評価して、単量体イオン液体固定相の被覆効率を調べる。効率が十分であると見なされるならば、カラムはその後室温でアゾ−tert−ブタン(遊離基開始剤)の蒸気によって洗い流される。蒸気による洗い流し後に、カラムの両端を融合し、200℃までの温度勾配を使って、オーブンの中で5時間加熱される。カラムを徐々に冷やし、その後両端を再び開き、ヘリウムガスによってパージする。一晩中ヘリウムガスによってパージした後に、カラムを加熱して、200℃までの温度で調節する。調節後に、カラム効率を100℃にてナフタレンを使って調べ、固定相の被覆層を顕微鏡で調べる。架橋工程が固定化を起こすこともでき、大抵は固定化をもたらすことに留意すべきである。本発明の場合「固定化」は共有結合的にまたはイオン的に担体または別のイオン液体(ジイオン液体塩を含む)または両方に結合することを意味する。これは、固体担体に吸収・吸着されるイオン液体と比較されることになる。これらの具体例における固体担体は、カラム(例えばカラムの壁)を含むことが意図される。]
[0092] しかし、GCでの使用前にこれらの材料を架橋する必要はない。それらはカラムに、固体担体に、吸着または吸収される。しかし、より高温ではそれらの粘度は減少し、場合によりカラムの特性を変え得る液滴として流れ、集まる。固定化または部分的な架橋はまたカラムの流出を低くすることになる固定相膜の蒸気圧を減らし、従って相とカラムの実用上限温度を高める。]
[0093] 第二の方法は、ジカチオン液体塩単量体重量の2%以下の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)遊離基開始剤を単量体の被覆溶液へ添加することを含む。キャピラリーカラムはこの溶液でその後満たされ、静的被覆法で被覆される。被覆後に、キャピラリーカラムは両端を封印し、オーブンに入れて200℃までの温度で5時間調節する。カラムを徐々に冷やした後、両端を再び開きヘリウムガスでパージする。1晩中ヘリウムガスでパージした後に、カラムを加熱し200℃までの温度で調節する。調節後に、カラム効率をナフタレンを用いて100℃で調べ、固定相の被覆層を顕微鏡で調べる。]
[0094] アルケンのフリーラジカル重合に加えて、他の重合反応は、カチオンの芳香環または2つのカチオンを(ジカチオンを形成するため)結合する架橋鎖のいずれかに付着した他の官能基を含む。そのような反応としてはカチオンおよびアニオンの鎖成長重合反応、チーグラー・ナッタ触媒重合、および逐次反応重合を挙げることができる。付加およびブロック共重合により共重合体を形成するため2つの異なる単量体の使用も考えられる。さらに、縮重合は、アミンおよびアルコールのような官能基を介して結合するために使用できる。以下の2つの文献において検討されるすべての重合および架橋反応を使用することができる:“Comprehensive Polymer Science - The Synthesis, Characterization, Reactions and Applications of Polymers” (「包括的な高分子科学−重合体の合成、特性、反応、および応用」)by Sir Geoffrey Allen, FRS; および“Comprehensive Organic Transformations: a guide to functional group preparations”(「包括的な有機変化:官能基調製の手引き」 by Richard C. Larock. 2nd Edition. Wiley-VCH, New York. Copyright, 1999. ISBN: 0471190314。]
[0095] 別の一態様では、イオン液体単量体の遊離基反応を含む工程が提供され、より丈夫で頑強な固定相並びに架橋および/または固定化固定相およびこれらを含むカラムが提供される。遊離基開始剤を少ない割合で用いるイオン液体固定相を部分的に架橋することによって、高温に耐えカラム流出の少ない高効率のキャピラリーカラムが生成される。特製の部分的に架橋されたイオン液体固定相混合物を用いて、低温から中庸温度における分離(30〜280℃)が、高選択性と高効率で実現できることが見出された。これらの固定相は「ゼラチン状」、「半液体」の非晶質状態を維持する。より高い温度(300℃〜400℃)で実施される分離に対して、カラム流出の少ない高選択性高効率の分離を提供するにはより高度に架橋/固定化された固定相が適切である。異なる官能基を有するイオン液体塩混合物と開始剤濃度の効果はこれらの2タイプの固定相について研究される。最終目的は、固定相の固有の選択性を犠牲にすることなく、それらの分離効率、熱安定性、およびカラム寿命を最大化することである。]
[0096] 以下の材料を、本発明によるDILSを含む架橋された固定相を調製するために使用できる:1−ビニルイミダゾール、1−ブロモヘキサン、1−ブロモノナン、1−ブロモドデカン、1,9−ジブロモノナン、1,12−ジブロモドデカン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1−メチルイミダゾール、N−リチオトリフルオロメタンスルホンイミド、AIBN、ジクロロメタン、および酢酸エチル。]
[0097] 前記のように室温イオン液体は広範囲に適用できる、優れたガスクロマトグラフィー固定相として働き、固定相中では2面性保持挙動を示す。その結果、イオン液体固定相は、単一カラムの上で、極性および無極性の分子両方を高効率で分離することが示された。部分的にまたは高度に架橋された固定相を生成することによって、イオン液体に固有の溶媒和熱力学と溶媒和相互作用がそれらの固定化類似物でもなお保持されることは興味深い。]
[0098] 別の一態様では、混合固定相(MSP)が提供される。MSPは、本発明の少なくとも1つのジカチオン液体塩並びにポリシロキサン、ポリエチレングリコール(PEG)、メチルポリシロキサン、フェニル置換メチルポリシロキサン、ニトリル置換メチルポリシロキサン、およびカーボワックスのような従来型の固定相材料(これらに限定されるものではない)を含む。そのようなMSPはSPEとSPMEにおけるだけでなくGC、LC、およびHPLCのようなクロマトグラフィーにおける固定相としても使用できる。MSPは、非架橋(例えば固体担体またはカラムに吸収または吸着される)、「部分的」架橋、または「より高度な」架橋(すなわち固体担体またはカラムにおいて固定化)であってよい。ジカチオン液体塩もまた架橋されていても、または、固定相材料と反応しても、あるいは単にそれとともに混合してもよい。]
[0099] MSP生成のためのジカチオン液体塩と固定相素材の適切な組合せと、MSP中のジカチオン液体塩と固定相材料の割合は、具体的用途に基づく。]
[0100] 具体的一態様では、MSPにおいてジカチオン液体塩と固定相材料の比率は約1:9(すなわち約10%のジカチオン液体塩と90%の従来の固定相材料)から約9:1(すなわち約90%のジカチオン液体塩と約10%の固定相材料)まで、約1:3(すなわち約25%のジカチオン液体塩と約75%の固定相材料)までから約3:1(すなわち約75%のジカチオン液体塩と約25%の固定相材料)まで、約1:2(すなわち約33%のジカチオン液体塩と約67%の固定相材料)から約2:1(すなわち約67%のジカチオン液体塩と約33%の固定相材料)まで、または約1:1(すなわち約50%のジカチオン液体塩と約50%の固定相材料)(w/w)である。MSPを用いるクロマトグラフィーは、機能がよりすぐれており、ジカチオン液体塩または固定相材料を単独使用するクロマトグラフィーよりも、例えば高い選択性を有するなど、性能が高い。一例として、約67%(ジブチルイミダゾリウム)2(CH2)9および約5%フェニル置換された約33%メチルポリシロキサンの単純混合物からなるMSPを調製しカラムの被覆に使用した。このMSPは、精油の分離性能が優れていた。MSPを架橋したものも使用できる。]
[0101] さらに本発明はまたMSP、固体担体および/またはこれを含むカラムの調製方法、MSP、固体担体、シリンジ、管、ピペット先端、針、ガラスびん、およびカラム自体、並びにクロマトグラフィーおよび本明細書で他に記載したような分析・分離技術におけるそのようなMSPを含むカラムおよび固体担体の使用を提供する。]
[0102] F.その他の分離および分析技術
さらなる一態様では、本発明による1種以上のジカチオン液体塩がクロマトグラフィー以外の分析および分離の技術において使用でき、そのすべては本願の一部と考えられる。例えば、本発明によるジカチオン液体塩はSPE、SPME、TSSPME、およびSPME/MALDIとして知られている一定のタイプの質量分析のほかにイオンクロマトグラフィーとイオン交換クロマトグラフィー並びにヘッドスペース分析に使用することができるが、これらに限られない。]
[0103] 他の一態様では、化学薬品の混合物から1種の化学薬品を分離する方法が提供され、当該方法は少なくとも1種の第一の化学薬品と少なくとも1種の第二の化学薬品の混合物を提供し、当該混合物を上記のように機器を使用して上記のように1種以上のジカチオン液体塩を含む少なくとも1種の固体担体にさらし、当該第一の化学薬品の少なくとも一部を固体担体に一定時間保持する工程を含む。この状況での「保持」は恒久的な意味を有さない。分離はシリンジ機器において試料からの機器の除去または第二の化学薬品の排出によって起こる。クロマトグラフィーカラムの場合に、第一の化学薬品は、第二の化学薬品とは異なる速度で、すなわちより大きな速度またはより低い速度で、吸収または吸着され、従って分離を生じる。両方ともカラム中を移動相によって動かされ、その移動相は液体またはガスであり、それらの固定相(固体担体上のイオン液体材料)との異なる速度での相互作用が分離を起こす。これは、クロマトグラフィーの場合に「保持」によって意味されているものである。しかし、一定のタイプのクロマトグラフィーにおいては、第一の化学薬品は固定相に結合するが、第二の化学薬品は結合せずカラムに移動相によって通され溶離することも可能である。第一の化学薬品は別に溶離または除去ができ、これも用語「保持される」に包含される。]
[0104] 別の一態様では、1種以上のDILSをSPEに用いることができる。SPEでは、試料は、分離、識別、および/または定量すべき不純物、他の化合物または検体を含む。この試料を、本発明のジイオン液体塩またはより広くは固定化形態のDILSが存在する容器中に入れる。イオン液体材料は容器の壁に結合(固定化)でき、液体クロマトグラフィーカラムが固定相で充填できるのと同様に、容器の底にあるまたは容器全体に充填されるビーズまたはその他の構造に吸着または吸収することができる。代わりに、DILSはビーズ、粒子および/または前述のようにクロマトグラフィーにおいて使用される他のクロマトグラフ媒体のようなある種の他の固体担体に本明細書に記載されるように、架橋または類似の固定化反応によって固定することができる。これらのビーズはまた、液状クロマトグラフィー用の充填カラムと同様に、容器の底に入れるか容器を満たすことができる。もちろん、固体担体は容器内のどこかに置かれるいかなる構造でもよい。]
[0105] 具体的一態様では、当該容器は実際にはシリンジであって、ジイオン液体塩がフィルタのように、シリンジの底に何らかの方法で添加または配置される。シリンジの針を試料に入れプランジャーを引くと真空が形成されて、シリンジのシリンダー内に試料を汲みあげる。この試料はジイオン液体塩の少なくとも1つの層を通過し、少なくとも1種の液体成分と結合する。試料液体はその後あふれるか、またはプランジャーを押して排出し、後者では試料をシリンダーの底に置かれたジイオン液体を経て強制的に戻す。]
[0106] 試料液体について、ジイオン液体塩によって保持されるある種の材料の存在または不存在を分析することができる。また、保持された材料を除去(材料を異なる溶媒に入れるなど)して、または除去せずに他の方法で分析してもよい。同じ技術は調製方法および/または大量精製手段としても同様に使用できる。]
[0107] 別の一態様では、1種以上のDILSをSPMEで使用することができる。これらの技術では分離材料(この場合に、イオン液体または具体的には本発明によるジイオン液体、または吸着材、粒子、およびその他のクロマトグラフ媒体と混合したイオン液体)は繊維(例えばポリジメチルシロキサン/ジビニルベンゼン(PDMS/DVB)繊維)に、または被覆またはガスクロマトグラフィーで通常使用されるようなマイクロシリンジのプランジャーに一般に取り付けられるシートとしてプランジャーに塗布されるその他の固体担体に何らかの方法で吸収、吸着、または固定化される。本発明のDILSはまた、プランジャー以外のいかなる分離固体担体なしでも固定化され、直接付着することができる。これは例えば膜を直接使用することによりなされる。プランジャーを押し下げ、繊維にさらし、次いで繊維を目的の試料に浸す。次に、プランジャーを引き抜き、繊維をシリンジのシリンダー内、または少なくとも保護または移送のために針のシリンダー内に引き戻す。シリンジを、その後ガスクロマトグラフまたは他の機器の隔壁に差し込み、その結果マイクロシリンジのプランジャーを再び押し下げることによって繊維をカラムに挿入することができる。その後GCで使用される熱により、GCカラムを通して移動相によって運ばれた結合試料は揮発するか追い払われ、分離、および/または識別される。それはまたHPLC注入器内の液体移動相または非緩衝化キャピラリー電気泳動法によって溶離することができる。固定化DILSはまた、高能力型SPMEである被覆撹拌棒技術と関連して使用することができる。この被覆撹拌棒技術のいくつかの態様は商標TWISTERTMの名で販売されている。]
[0108] より具体的には、SPMEは、少量の抽出層(この場合はイオン液体と好ましくは本発明によるジイオン液体)を、固体担体上に置く技術で、当該担体はその後一定時間試料にさらされる。試料が撹拌されない状況のもとで、試料マトリックスと抽出相の間を分配する平衡に達する。対流が一定の場合、短時間の平衡前抽出が実現し、抽出検体量は時間に関係する。定量は塗膜中の分析の時間蓄積に基づいて行うことができる。これらの技術は、被覆した繊維(例えばキャピラリーGCまたはキャピラリー電気泳動に使用するものと同様な溶融シリカ、ガラス繊維、針金、金属または合金の繊維、ビーズなど)、容器、撹拌機構円盤などを用いた開床式抽出概念を用いて通常実施される。しかし管の中の方法も示されてきた。管の中の方法では、抽出相をキャピラリーの内壁に被覆し、目的の検体を含む試料をキャピラリーにさらし、検体は抽出相に分配される。従って、例えば針の内壁に材料を被覆することができ、別個の固体担体の必要性なしで針を差し込むことができる。]
[0109] さらに、1種以上のDILSの固定化は、キャピラリーGCカラムの製造に関連して前述のごとく、それら自体および/または固体担体に結合または架橋することによりなされる。しかし、そうするには、使用する種は、固定化反応に必要な少なくとも1種の不飽和基を持たなければならない。]
[0110] 別のタイプのSPME技術は特定課題向けSPMEすなわちTS−SPMEとして知られる。TS−SPMEは特定の種の分離または除去、したがって検出を可能にする。特定の種には例えば水銀とカドミウムを含むことができるが、当該技術は他の材料に同等に応用可能である。概念はSPMEについて前述したものと同じである。しかし、この場合には使用するジイオン液体塩は具体的に特定の種と相互作用するようにさらに変性される。第一のモノカチオン材料は前述のように繊維上に被覆、吸収、または吸着させることができる。ジイオン液体塩はまた公知の方法で吸収または吸着させることができる。]
[0111] 最終的に、特定の試料は、ジイオン液体塩を含む充填材に懸濁させることができる。このマトリックスは、上述のようにSPMEシリンジの繊維表面に充填するか固定化することができ、その後質量分析計に注入されSPME/MALDI質量分析として知られている技術を実施する。充填材はUVレーザーにさらされる。これは、GCの場合と同様に熱による試料の揮発または放出を生じる。これにより、試料を分析する質量分析計に試料が入ることが可能となる。]
[0112] G.機器
本発明は、DILSの使用ばかりでなく、DILSが吸収、吸着または固定化される固体担体、およびジイオン液体塩を取り込んだ、例えばピペット、自動ピペット、シリンジ、マイクロシリンジなどの試料採取機器を含み、それらは分析および分離技術で使用することができる。固体担体にはジイオン液体塩で被覆した粒子の混床(mixed bed)が含まれるが、それに限定されない。これらはクロマトグラフ媒体としてまたはSPE、SPME、SPME/MALDI、およびイオン交換分析用に使用することができる。粒子は、例えばシリカ、炭素、複合粒子、金属粒子(ジルコニア、チタニアなど)の他に、例えば管、ピペット先端、針、ガラスびん、および他の普通の容器に入れられる官能基を有する粒子などから構成される。]
[0113] 従って、一態様では化学的分離または分析のための機器が提供される。当該機器は、固体担体および当該固体担体に吸着、吸収、固定化される本発明の1種以上のジカチオン液体塩を含む。具体的な一態様では、当該機器はシリンジ、中空の針、プランジャー、およびシリンジに取り付けられる固体担体を含む。]
[0114] 別の一態様は化学的分離または分析に有用な機器であって、固体担体および上述のようにこれに吸着、吸収、または固定化される1種以上のジイオン液体塩を含む。当該機器はHPLC、GC、または超臨界液体クロマトグラフィー(SFC)において使用されるカラムであってもよく、固体担体はクロマトグラフィーカラムに充填されるか、ガスクロマトグラフィーにおいて有用なキャピラリーカラムである。]
[0115] 当該機器はまた、内部空間を画する中空針を有するシリンジであってもよく、当該針はシリダーの一端に配置され、プランジャーがシリンダー内に配置されている。プランジャーがシリンダーから引き抜かれると、固体担体は針の内部空間に引っ込められ、プランジャーがシリンダー内に挿入されると、針の内部から露出するように、固体担体はシリンジに取り外し可能又は不可能に取り付け、装着、または付着(まとめて「取り付け」という)される。一態様ではシリンジはマイクロシリンジである。いくつかの態様では、これらの機器の中で使用される1種以上のジイオン液体塩はまた、単に一緒に混合するかまたは本発明のジイオン液体塩に架橋するモノイオン材料を含む。これらは固体担体に吸収、吸着、または固定化されてもよい。固定化される場合、好ましくはこれらのイオン種は不飽和基を含む。]
[0116] 実施例
下記の実施例は単に例示であって、本開示を何ら限定するものではない。]
[0117] 実施例1 1,3−プロパンジイルビス[トリプロピルホスホニウム]の合成]
[0118] ]
[0119] イソプロパノールに1モル当量の1,5−ジブロモプロパンを溶解して1,3−プロパンジイルビス[トリプロピルホスホニウム]を合成した。この溶液に3モル当量のトリプロピルホスフィンを加えた。得られた混合物を撹拌し加熱して48時間還流した。溶液をその後室温に冷却し、溶媒を回転蒸発によって除去した。粗生成物をその後脱イオン水に溶解し、酢酸エチルで数回洗浄して残留出発物質を除去した。その後水を回転蒸発で除去し、その後、五酸化リンで一晩真空にして乾燥した。]
[0120] 実施例2
下記のジカチオン種を実施例1と類似の方法で合成した。]
[0121] ]
[0122] 実施例3 下記化合物の合成]
[0123] ]
[0124] このジカチオン種を生成するには、まず、ジブロモポリエチレングリコールのリンカー鎖の合成が必要であった。これは、テトラ(エチレングリコール)をエーテルに溶解し、その後氷浴中で冷却し、1.1モル当量の三臭化リンと反応させて行われた。その際、反応物を2時間還流した。次に、反応混合物を氷の上に注ぎ余分なPBr3を反応させた。水層を捨て、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で4回洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。次に、エーテルを回転蒸発器によって除去し、生成したリンカーを一晩真空で完全に乾燥した。このリンカーをその後適切な末端基と反応させジカチオンを生成した。]
[0125] 実施例4アニオン検出用ESI−MSにおけるジカチオン種の使用
すべてのジカチオン化合物は、それらのフッ化物の形態へアニオン交換してジカチオンと注入された検体との間で錯体形成を最大限に行った。]
[0126] メタノールおよび水はBurdick and Jackson (Morristown, NJ) 製のHPLC級を使用した。試薬級の水酸化ナトリウムとフッ化ナトリウムはFisher Scientific製であった。使用したアニオンはSigma-Aldrich (St. Louis, MO)製ナトリウム/カリウム塩または遊離酸として購入した。各アニオンの原液は毎週調製した。ジカチオン化合物の合成に使用する化学薬品もSigma-Aldrichから調達した。]
[0127] 直接注入分析用に、40μMのジカチオンフッ化物(DF2)溶液を島津製作所LC-6Aポンプから100μL/分でY形混合ティーに導いた。また、2:1の比率のメタノール:水からなる担体の流れをSurveyor MSポンプ (Thermo Fischer Scientific, San Jose, CA)から300μL/分で混合ティーに導いた。混合ティーの後の最終的な条件は10μMのDF2を含有する50/50の水/メタノール、400μL/分の流量であった。試料導入は2μLの試料ループを使用する質量分析計の6口注入弁を用いてなされた。線形イオントラップ質量分析計(LXQ, Thermo Fisher Scientific, San Jose, CA)をこの検討のために使用した。ESI−MS設定は、スプレー電圧:3kV、キャピラリー温度:350℃、キャピラリー電圧:11V、管レンズ電圧:105V、シースガス:37任意単位(AU)、補助ガス:6AUであった。負イオンモード分析用に電圧極性を反転したが、他のすべてのパラメータ設定を保持した。最適化されたMCA検出用ESI−MS設定はスプレー電圧:4.5kV、キャピラリー温度:350℃、キャピラリー電圧:35V、管レンズ電圧:80V、シースガス:25AU、補助ガス:16AUであった。イオントラップは単一イオンモニタリング(single ion monitoring:SIM)を用いて操作した。]
[0128] クロマトグラフィー実験用に、試料導入をThermo Fisher Surveyor自動採取装置(10μLの注入)によって行った。使用固定相はAdvanced Separations Technology (Whippany, NJ)から調達した10cmのC−18(3μmの粒度)であった。図1で使用される複数アニオン試料のクロマトグラフでは、カラムは300μL/分で100%の水を用いて平衡にした。1分で100%メタノールへの直線形勾配が始まり、3分で完了した。DF2溶液の添加は混合ティー経由で100μL/分でポストカラム法によってなされた。スプレー形成に役立つように、DF2をメタノール溶液として調製し再びポストカラム法で添加した。負イオンモード実行のために、純粋なメタノールを、メタノール溶液中のDF2とは対向的に、混合ティーに導入した。MSをSIMモードで再稼動し、全実行について各検体のm/z値を測定した。単一反応モニターリングを使用する場合、標準化衝突エネルギーを25、活性化時間を30msに設定した。Xcalibur および Tune Plusソフトウェアをデータ収集・分析用に使用した。]
[0129] 特定のアニオン検出用に特定のジカチオン試薬を使う場合には、さらなる最適化が推奨される。最適化に十分な時間をかけ、またはより敏感な質量分析計を使用すればこれらの検出限界を下げることができると考えられる。]
[0130] 結果
下記の表1に試験したジカチオン種を記載する。]
[0131] ]
[0132] ]
[0133] 表2は、9種の異なるジカチオン試薬と首尾よく対になる場合の6種の代表的アニオン(ベンゼンスルホナート、シアナート、ペルフルオロオクタン酸、ヨウ化物、硝酸塩、モノクロロ酢酸)のそれぞれについての検出限界(LOD)を記載する。これらの値は、直接注入ESI−MS(実験を参照)によって決定した。]
[0134] ]
[0135] 気相イオンに関連して1価の荷電アニオンの検出にジカチオン試薬を使用するのは、高度に敏感な方法であることが示され、従来型溶媒を使用する負イオンモードに比べて顕著な改善を提供する。いかにこの方法が、クロマトグラフィーに容易に組み合わせられ複数のアニオンを検討することができるかを示した。また、目的のアニオンについて顕著な信号を得るために正しいジカチオン種を選ぶことの重要性が示される。]
权利要求:

請求項1
少なくとも1種のアニオンをESI−MSにより検出する方法であって、式I:[式中:Xは、アンモニウム、チオニウム、ホスホニウム、アルソニウム、スルホニウム、並びに、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、およびトリアゾリウムからなる群から選ばれるヘテロシクリル、からなる群から選ばれ、各Xは、アルキル、アルケニル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によって置換されていてもよく、Bは、C1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、C2〜C20−アルキニレン、(−CH2−カルボシクリル−CH2−)n、(−CH2−カルボシクリル−)n、およびポリシロキシルからなる群から選ばれる1種以上の基の鎖から構成される2価の断片であり、C1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、C2〜C20−アルキニレンは、O、N、S、およびSiからなる群から選ばれた1つ以上のヘテロ原子を鎖中に含んでもよく、Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、およびハロからなる群から選ばれた1つ以上の置換基によって置換されてもよく、かつnは1から20を含めた群(両端の数値を含む)から選ばれる]に構造が対応するジカチオン種と少なくとも1種の対アニオンとを含む少なくとも1種のジカチオン液体塩を使用することを含む方法。
請求項2
少なくとも1種の対アニオンが、独立してF−またはOH−であり、Xが、アンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、およびピラゾリウムからなる群から選ばれ、Bが、C1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、(−CH2−カルボシクリル−)nまたは(−CH2−カルボシクリル−CH2−)nである、請求項1に記載の方法。
請求項3
F−およびOH−からなる群から独立して選ばれる少なくとも2つの対アニオンが存在し、Xはアンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウムおよびピロリジニウムからなる群から選ばれ、Bは、C1〜C20−アルキレン、C1〜C20−アルケニレン、または(−CH2−カルボシクリル−CH2−)nであり、nは1から12(両端の数値を含む)である、請求項1に記載の方法。
請求項4
Xはアンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、およびピロリジニウムからなる群から選ばれ、ここで、Xは、アルキル、アルケニル、ヒドロキシル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によって置換され、BはC1〜C20−アルキレン、C2〜C20−アルケニレン、(−CH2−フェニル−CH2−)n、または(−CH2−シクロヘキサニル−CH2−)nであり、ここで、C1〜C20−アルキレンは鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよく、nは1から12(両端の数値を含む)である、請求項1に記載の方法。
請求項5
Xはホスホニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換され、BはC1〜C12−アルキレンまたは(−CH2−フェニル−CH2−)nであり、ここで、C1〜C12−アルキレンは鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよく、nは1である、請求項1に記載の方法。
請求項6
Xはアンモニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換され、Bは、鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよいC1〜C12−アルキレンである、請求項1に記載の方法。
請求項7
Xはピロリジニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換されてもよく、Bは、鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよいC1〜C12−アルキレンである、請求項1に記載の方法。
請求項8
Xはピリジニウムであり、Xは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルからなる群から独立して選ばれる1種以上の置換基によって置換されてもよく、Bは、鎖中に1つ以上の酸素原子を含んでもよいC1〜C12−アルキレンである、請求項1に記載の方法。
請求項9
前記ジカチオン種が、以下:からなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
請求項10
ESI−MSが正イオンモードで実施される、請求項1に記載の方法。
請求項11
ジカチオン液体塩が単一アニオンとペアになり正に荷電した錯体を生成する、請求項1に記載の方法。
請求項12
ジカチオン液体塩が担体中を流れる溶媒に添加される、請求項1に記載の方法。
請求項13
約1μMから約200μMのジカチオン液体塩溶液が担体中を流れる溶媒に添加される、請求項12に記載の方法。
請求項14
担体中を流れる溶媒が水混和性有機溶媒、または水と水混和性有機溶媒の混合物である、請求項12に記載の方法。
請求項15
水混和性有機溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンからなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
請求項16
さらにESI−MSを分離方法と組み合わせることを含む、請求項1に記載の方法。
請求項17
分離方法は液体クロマトグラフィー、HPLC、イオンクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、SPE、SPME、TS−SPME、およびSPME/MALDIからなる群から選ばれる、請求項16に記載の方法。
請求項18
ジカチオン液体塩はが、分離方法の後に担体中を流れる溶媒に添加される、請求項16に記載の方法。
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